高齢者とペット

最近では、高齢者の方でも犬や猫などのペットを飼われる機会が多いです。

そのかわいさに癒されるだけでなく、一緒に過ごすことで心身ともに健康的に過ごせる傾向があることも複数の調査結果から証明されており、時々テレビでも紹介されています。

そういった影響からか「親が健康に過ごせるように、明るく過ごせるように」という願いから、子の世代からプレゼントされたという話も時々聞くようになりました。

もちろん、以前から動物たちと過ごしてこられ、動物と暮らすことが生活の一部なっている方もたくさんいらっしゃります。

ただ、飼い主さんがご高齢になられていくにつれ、通院や万が一の入院に見舞われることもあり、高齢者がペットと暮らしていくことが難しいという状況になることも問題としてあります。

この記事では、高齢者がペットを飼う際の効果、問題点やその解決策などをお伝えしています。

ペットと一緒に暮らし、楽しく毎日を送りたい方は、ぜひ読んでみてください。

高齢者でもペットを飼いたい!という方が増えている

平均寿命が延びるにつれ、夫婦二人、もしくはお一人で過ごす期間は長くなってきています。

仕事や子育てなどがひと段落し、時間に余裕が生まれ、生活に張りを感じられなくなり、物足りなさや寂しさを感じる方も増加傾向にあります。

その際に、家族として新しくペットを迎える方も増えてきています。

ペットを迎える際には、ペットショップのみならず、動物愛護センターや保護施設から受け入れることも可能です。

(個人的には子犬や子猫といったまだ性格などが定まらない子たちより、成長した子たちのほうが性格がわかりやすいので、高齢者や慣れていない方は保護犬をお勧めします。)

ペットを飼う効果

実際、高齢者がペットを飼うことでの効果がいくつか報告されています。

例えば、配偶者がなくなってしまった場合、ペットを飼っていない高齢者は病院に行く回数が増える傾向にあるのに対し、ペットを飼っている高齢者の通院回数には変化がなかったという調査報告があります。

また、認知症の予防にもペットが有効であるという報告もあります。

ペットを飼うことで、コミュニケーションをとれたり、誰もいなくてもおしゃべりをしたり、日々の成長を愛おしく感じたり…

見つめあったりなでることで『オキシトシン』という幸せホルモンが分泌されるため、心が穏やかになる、体の痛みを和らげるといった効果もあります。

ペットは話すことができません。でも、だからこそ理解しようと考え、愛情を注ぐことで感情が豊かになり、生活にハリが生まれる結果、認知症などの予防につながるのではないでしょうか。

他には、ワンちゃんの場合には、散歩に出かけることでの運動不足解消のメリットもあります。

外に出て、季節のにおいを感じたり、お散歩仲間とおしゃべりをしたりと、ペットを飼うことで新しい刺激があることも事実です。

ネコちゃんの場合には、ワンちゃんのように散歩をする必要はないですが、猫じゃらしなどを使って一緒に遊ぶことで、運動不足の解消ができます。

高齢者がペットを飼うことの問題点

ただ、実際には、高齢者がペットを飼うことにはいくつかの問題点もあります。

飼いきれなくなる

病気や寿命により、ペットを飼いきれなくなってしまうこともあります。

犬や猫などペットの寿命も延びてきていますので、飼い主さんより長生きするということもありえます。

一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和2年 全国犬猫飼育実績調査」によると、犬の平均寿命は14.48歳、猫の平均寿命は15.45歳となっています。

そのため、今は問題なく過ごせていたとしても、風邪が長期化したり、転倒事故が起きることによって、飼えない状況となる場合もあります。

高齢者の急な入院により、ペットが自宅に取り残されてしまうというケースもしばしば生じています。

また、うまくしつけられないことにより、手放してしまうケースもあります。

遊んであげられない、散歩に行けないなどが重なって、ペットにストレスがたまってしまい、手の付けられない性格へとなる場合もあります。

散歩に行けない

足や腰などが痛く、お散歩に行けないということもあります。

「小型犬ならお散歩に行かなくてもいいかな?」と思われる方もいらっしゃいますが、基本的には、ワンちゃんはお散歩が必要で、大好きな動物です。

そのため、散歩に行けないことは、ときとしてストレスになってしまうこともあります。

また、中・大型犬においては、ある程度の距離を走ることが必要であったり、引っ張る力も強いため、散歩が事故につながることもあります。

高齢者でも飼いやすいペットとは?

高齢者の方でも飼いやすいペットには、猫や小動物があります。

一般的に、散歩が必要となる犬においては、高齢者には少し飼いづらい面もあるとかもしれません。

小動物としては、うさぎやハムスター、モルモットなどが飼いやすいかもしれません。

小鳥も飼育はしやすいですが、寿命が長いということで、最後を看取ってあげられないこともあります。

高齢者がペットを飼うときには、協力者が必要

高齢者がペットを飼う際には、世話ができなくなったときのことも考える必要があります。

家族や友人などがペットのお世話をしてくれるといいですが、そうではない場合には、あらかじめ引き取ってもらえる施設などを検討しておきましょう。

これからは、高齢者がますます増え、ペットを飼いきれなくなる状況も増えることが予想されます。

そのため、飼い主がなくなったあとに、世話をしてくれるシステムの構築が早急に望まれます。

感染症予防も大事

万が一、自分で世話ができなくなった際には、誰かに預ける必要があります。

その際には、感染症予防をしてあることが重要となります。

というのも、ペットホテルに預ける際にはワクチン接種が必須となっているところが多いからです。

ワクチンには風邪や下痢予防の混合ワクチンと、義務で行う狂犬病ワクチン(犬のみ)があります。

また、ノミやダニ、フィラリアの予防も定期的に行う必要があり、適切に飼育するためには感染症の予防がとても大切です。

ペットシッターに頼ることも方法のひとつ

散歩ができない…遊んであげられない…、身近に頼れる人がいない…という状況がある場合には、ペットシッターに頼ることも方法のひとつです。

ペットシッターはお散歩やお世話といったことを、飼い主さんのご希望通りに行うことができます。

短時間の利用からも可能なので、病院に行く際やちょっとしたお出かけの際にも利用ができます。

また、身内ではないからこそ、相談できることもあると思います。

一人で悩んでしまうときには、ぜひペットシッターをご利用くださいませ。

【まとめ】高齢者がペットを飼うときの効果や注意点~ペットシッターの利用もおすすめ!

高齢者がペットを飼うことで、心身ともに健康的に過ごせることが分かっています。

ただし、高齢者がペットを飼育することには、いくつかの注意点や問題点もあります。

「お散歩が大変…」「病院に行けない…」などお悩みがある場合には、ペットシッターを利用してみてはいかがでしょうか?

参考資料

  • Serpell J.A.人の健康状態に与えるペット飼育の効果(要約),ERCAZ Newsletter,July 2009

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