ペットシニア期

犬や猫などのペットの平均寿命は、どんどん長くなってきています。 ペット保険会社アニコムの調査によると、2021年において、犬の平均寿命は14.1歳、猫では14.3歳となっています。 一昔前までは、『10歳まで生きれば立派!』と言われていましたが、獣医療の発展やペットフードの品質向上などが影響したと考えられています。 シニア期が長くなったことにともない、さまざまなケアや介護が必要となる機会も増えました。 この記事では、ペットのシニア期において、どういった症状が出るのか?また、シニア期に向けての対策などをお伝えしています。 愛犬・愛猫のシニア期に備えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ペットのシニア期とはいつからか?

ペットにおいて、シニア期の定義はないですが、人におけるシニア期が60~65歳以降ということを考えると、

  • 小型犬で10歳
  • 大型犬で8歳
  • 猫で12歳

程度からとなります。 『○○歳になったらシニア期!』というものではないので、これくらいの年齢をめどに高齢になってきたと考えるといいと思います。 ただ、シニア期になったからと言って、変わらずピンピン元気な子、食欲旺盛な子…など個体差があります。 愛犬・愛猫にあった過ごし方をするようにしましょう。

ペットのシニア期に出る症状とは?

人でも高齢になると、足腰が痛い…物忘れが多くなった…といった症状が出ることが多いと思います。 これは、犬や猫などのペットでも同じです。 ペットのシニア期にみられる症状としては、

  • 寝ている時間が増えた
  • 食欲が減ってきた
  • 毛づやが悪くなってきた
  • 高いところに行かなくなった
  • 散歩が苦手になった
  • ものに興味を示さなくなった
  • つまずく、転ぶ、よろけたりするようになった
  • 吐く、下痢をする機会が増えた
  • ぐるぐる回るようになった、ものにぶつかるようになった

などさまざまあります。 これらは、筋力や内臓の機能、思考能力の低下によるものであり、年をとることでいずれかは出てくる症状です。 ただ、一部の病気になることで、老化と似た症状が出る場合もあります。 単純に老化と片づけずに、まずは動物病院を受診することが安心ですね。

ペットのシニア期に向けての対策

シニア期に向けては、いくつか対策をしてあげる必要があります。

  • 床を滑らないようにする
  • 段差をなくす
  • 適度な運動をする
  • 体に合った食事に変更する
  • 健康診断を受ける

以下で詳しくお伝えしていきます。

床を滑らないようにする

シニア期になると、足腰が弱くなることが多いです。 それにともない、走ったタイミングや旋回したときに、つるんと転んでしまうことがあります。 状況によっては骨折や脱臼をしたり、慢性的な痛みを抱えてしまったりすることもあります。 そのため、フローリングなど滑りやすい床の場合には、滑らないマットやカーペットなどを敷いてあげ、滑りづらくなるよう対策をしてあげましょう。 部屋全体に対策することが難しい場合には、よくジャンプをする場所やソファーの下など、部分的に対策をしてあげてもいいですね。

段差をなくす

段差をなくすことも重要です。 若いうちは、ピョンピョンといろんなところを上り下りしていたと思います。 高齢になると、そういった日常的な動作で、足腰を痛めてしまうこともあります。 ソファーにはスロープや階段をつける、階段は上り下りさせないように対策をしましょう。 猫の場合には、食器棚やタンスなどの高い場所で立ち往生してしまうケースもあります。 高いところには行けないようにする、もしくはキャットステップなどを利用して、上り下りしやすいように工夫をしてあげるといいですね。

適度な運動をする

適度な運動は、筋力を維持するのみならず、ストレス発散にもなります。 犬の場合には、無理のない範囲でお散歩を楽しむようにしましょう。 風のにおいや車の音、鳥の鳴き声などは、脳への良い刺激ともなります。 また、おもちゃを使っての遊びや運動も重要です。 シニア期になると、『今までみたいに動けない…』『どうせ、あまり走れない…』とふさぎこんだ気持ちになっている子も多くいます。 それにともない、飼い主さんも遊ぶ回数を減らしてしまうことがあります。 例えば、目の前でボールを転がしてあげる、おもちゃを動かしてみるなどの軽い遊びをすることで、楽しい気持ちや自信を取り戻すことにつながります。 時間を見つけて、一緒に遊んであげるようにしましょうね。

体に合った食事にする

若いときのままの食事内容を与えることで、太ってしまうことはよくあります。 その場合、『シニア期用』の食事に変更することで、体重の維持や健康の管理ができます。 ただ、シニア期になったからと言って、いきなり食事を変更する必要はありません。 シニア期用の食事では、タンパク質が制限されているものも多く、筋力が低下してしまうこともあるからです。 元気や食欲が変わらずあり、体つきも問題ないようであれば、今までのフードの量を調整して対応してもいいですね。

健康診断を受ける

動物は体の不調を隠す傾向にあります。 そのため、症状が出たときには、すでに病気が進行している…ということも多いです。 健康的なシニア期を過ごすためには、定期的な健康診断が重要です。 犬や猫は人に比べて4~6倍程度のスピードで年をとりますので、健康診断は最低でも半年から1年に1回は行うようにしましょう。 検査内容は、主治医の先生とご相談して決めるといいですね。

ペットのシニア期のケアは、誰かに頼ることも大切!

ペットのシニア期には、上記でお伝えしたような症状の他に、認知症による症状が出ることもあります。 排せつを失敗したり、夜鳴きをしたりということも多く、お世話に疲れ果ててしまう飼い主様も多くいらっしゃいます。 また、近所迷惑の心配や過度の睡眠不足から、いらだちやストレスを抱えてしまうことも… そんなときには、動物病院やペットシッターなどにお世話を手伝ってもらうことも方法のひとつです。 一人で抱え込んでしまうと、ペットを大切にできない瞬間もあるかもしれません。 たまには、誰かにお世話を頼んで、ゆっくり休憩のとれる日を作るようにしましょう。

【まとめ】ペットのシニア期はいつから?シニア期の症状と対策

ペットのシニア期は、小型犬で10歳、大型犬で8歳、猫で12歳程度からとなります。 シニア期には、食欲や元気が低下したり、寝ている時間が増えるといった症状が見られます。 老化による症状と病気による症状は、似ているところがあり注意が必要です。 ペットが健康的に過ごすためには、病気の早期発見と早期治療が重要です。 今一度、愛犬・愛猫の様子をチェックしてみましょう!

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